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農耕生活と睡眠時無呼吸の意外な関係 - ブログ

睡眠時無呼吸(SAS)の患者さんではCPAPという治療法が中心になりますが、一部の患者さんは煩わしいと言ってやりたがらない方がいます。確かにヴィネもあれをつけて朝まで寝られるかなと疑問です。

SASの原因は舌根沈下です。口やのどの筋の緊張が落ちて、あおむけで寝ていると舌根が落ちて軌道をふさぐからです。だからうつ伏せで寝れば舌根沈下は起こりません。しかしなかなかうつぶせ寝する人はいません。特に肥満体の人は腹が邪魔してうつ伏せでは絶対に寝られません。ところが幼児はうつ伏せで寝ることが珍しくありません。どうしてなのでしょうか?不思議です。

ふと思ったのですが、人間以外にあおむけで寝る哺乳類はいるのかな?
四つ足動物はそのままの姿勢か腹を地面につけて寝ます。ライオンなんかは横向きに寝ているところを見たことがありますし、ときにあおむけになっていることもあるようですが、非常に珍しいでしょう。では少し二足歩行ができるサルの仲間はどうでしょう。やはり人間のように完全にあお向けにはなれないと思います。そうすると脚がまっすぐに伸びないためバランスが悪くなるのじゃないでしょうか?だからせいぜい彼らは何かに寄りかかり、ちょうどハンモックで寝ているような姿勢で寝ているのではないでしょうか?霊長類の研究している方、これであっていますか?

さて人間ですが、人間はいつからあおむけになって寝るようになったのでしょうか?

ヴィネは人間があおむけになって寝ることと、農耕生活の始まりとは深い関係があるという大胆な仮説を立てています。

狩猟採取の生活では人類は悪天候や敵から身を守るために、洞窟に住んでいたはずです。洞窟の床は決して平らじゃありません。何かを敷いたとしてもまっ平のところに寝るのに比べれば相当寝心地は悪いでしょう。そういう環境ではできるだけ体重をかける面積を少なくしたいはずですから、壁などに寄りかかるような寝方がかなり多かったんじゃないでしょうか?

ところが農耕生活が始まると、農耕に適した土地に住まざるを得なくなり、そうなると洞窟ってわけにはいきません。住居を建てる必要性が出てきます。すると洞窟に比べて床が平たんなので、あおむけに寝られるようになりました。体が伸ばせて快適な睡眠環境にすぐに慣れたと思います。

それでも昔の人の生活は質素だったから肥満はいないし、筋肉量も多く、SASになる人は非常に限られていたでしょう。それが飽食の時代となり肥満が増え、またやわらかいものを食べる生活で口周りの筋力が低下して、舌根沈下が増えたのではないでしょうか?

舌根沈下だけじゃないです。睡眠時の開口によって扁桃腺も傷みやすくなり、すぐに風邪をひくようになったのです。
農耕生活って人類の進歩の一つのようにとらえられていますが、影の部分にも目を向ける見方を持つと、狩猟採取の生活も欠点ばかりじゃないと思うようになります。新型コロナも、もし古代だったらすぐに終息したはずです。だって集団同士の交流が現代と比べて非常に少ないから、その集団が全滅すればそれで済むことですから。

 

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